ベッドマットレスは「ほぼ一生もの」と思って購入される方が多いようです。
しかし、どんなベッドマットレスにも寿命はあります。
今回は、その中でもノンコイルマットレスが最も寿命が長いという内容になります。
ベッドマットレスの価格は、1万円程度のものから30万円、それ以上するものまであります。
シングルサイズで平均品質であれば、5〜10万円くらいが平均価格ですが、決して安価だとは言えません。
なので、できるだけ寿命が長いほうがお財布に優しいですよね。
さて、結論を先にお伝えすると、寿命が最も長いのはノンコイルマットレスの中でも『ウレタンマットレス』です。(以後はノンコイルマットレスをウレタンマットレスと同義で使用します)
ノンコイルマットレス(ウレタンマットレス)は、長寿命(高耐久)なだけではなく、寝具として最も身体に適しているとされています。
長寿命(高耐久)で、さらに寝具として最適であれば選ぶほかないですよね。
でもまあ焦らず、コイルマットレス➡ノンコイルマットレスと説明していきますので、しっかりと理解してみてください。
この記事の目次
コイルマットレスとは?
ベッドマットレスには大きく分けて2種類あります。
それは、『コイルマットレス』と『ノンコイルマットレス』です。
この2種類のマットレスの違いは、マットレスの中身にコイル(スプリング)が使われているか否かになります。
コイル(スプリング)とは、つまり『バネ』のことです。
ですので、コイルマットレスとは、『中身がバネのマットレス』ということになります。
一方、ノンコイルマットレスとは、ウレタン(低反発・高反発)、PE樹脂など、中身に『バネ』を使っていないマットレスを言います。
ノンコイルマットレスとその特性?
一方、ノンコイルマットレスとは何かというと、下記の記事で説明しています。
ノンコイルマットレスの寿命
さて、「マットレスの寿命」についてですが、googleで検索すると、サイトにより情報にバラつきがあります。
なぜ、バラつきがあるのかというと、マットレスの素材と品質により寿命の幅が広いからです。
簡単にまとめると以下のようになります。
マットレス素材の種類 | 一般的な寿命 | |
---|---|---|
ノンコイル | 低反発ウレタン | 3〜5年 |
高反発ウレタン | 5〜10年 | |
PE樹脂 | 6〜8年 | |
コイル | ボンネルコイル | 8〜10年 |
ポケットコイル | 7〜9年 |
各マットレスの寿命の理由
お気づきのとおり、冒頭では『ノンコイルマットレスが最も寿命が長い』というお話をしましたね。
それも理由付きで説明していきます。
低反発ウレタンマットレス
価格帯 | 寿命 |
---|---|
低価格帯(2万円以下) | 2年以下 |
高価格帯(3~4万円) | 3~5年 |
テンピュール、コアラマットレス、シュララフィアが代表商品になりますが、その他にも各メーカーから様々な商品が発売されています。
(寿命の理由) 下記のことから、素材がヘタりやすく短寿命 ・柔らかいのが特徴だが、それ故寝ている時は常に沈み込んでいる ・反発力が弱く、戻りにくい
低反発マットレスの触感は独特で特徴的ですが、それが逆に欠点となっているようです。
そのため高価格帯のものであっても、寿命は3〜5年程度が目安となります。
つまり、素材そのものの耐久性が低いことから、寿命が1~2年と短いのと引き換えに、安価になっています。
高反発ウレタンマットレス
価格帯 | 寿命 |
---|---|
低価格帯(3万円以下) | 3年程度 |
高価格帯(5万円以上) | 5〜10年 |
シュララフィアのゲルテックス、西川のAir、グッドマットレスが代表的です。
最近は、各メーカーがこぞって商品発売しているのは、市場が高反発ウレタンマットレスに移行しているからだと言えます。
(寿命の理由) 高反発ウレタンは密度により耐久性が変わります。 ・高密度 = 高価格 ➡ 長寿命 ・低密度 = 低価格 ➡ 低寿命
寿命のことにだけフォーカスすると高密度の高反発ウレタンマットレスがベストになります。
しかし、本当に良質なマットレスは寿命だけが問題ではなく、素材の品質が問題になるので注意してください。(ウレタンマットレスの発がん性物質について)
ちなみに、高反発ウレタンマットレスに多い、折りたたみマットレスもほぼ寿命の目安は変わらないと考えてもらって大丈夫です。
PE樹脂マットレス
価格帯 | 寿命 |
---|---|
低価格帯(4万円以下) | 3年程度 |
高価格帯(5〜10万円) | 6〜8年 |
エアウィーブが代表商品で、フィギュアスケートの浅田真央ちゃんをブランドアンバサダーに起用し、人気となりました。
(寿命の理由) ・もとは釣り糸であるため、基本的には伸びる(ヘタる)素材。 ・素材に改良を加え耐久性を高めている
耐久性を高めた代償として、硬い寝心地となっています。
アスリートなど筋肉質や体重の重い方には良いですが、一般人には『硬すぎる』と言われている。
また、丸洗いできるのが最大の特徴ですが、寝装品(ボックスシーツ、ベッドパッド)などを使えば、丸洗いの必要性は低いと言えます。
ボンネルコイルマットレス
価格帯 | 寿命 |
---|---|
高価格帯(5〜10万円) | 8〜10年 |
低価格帯(4万円以下) | 3〜5年程度 |
(寿命の理由) ・高価格帯では改良された高耐久のコイルが使用されている。 ・製品とコイルの品質が比例するため、低価格帯では低寿命。
基本的には体重の圧に負けない耐久性のコイルを使用すれば長寿命となります。
しかし、その分コイルが身体に与える反発力も強くなるため、コイル部分の上下はウレタン層を設け寝心地をUPさせています。
ポケットコイルマットレス
価格帯 | 寿命 |
---|---|
高価格帯(5〜10万円) | 7〜9年 |
低価格帯(4万円以下) | 3〜5年程度 |
(寿命の理由) ・寝心地を求めた分、ボンネルコイルよりも耐久性はやや劣る。 ・品質と価格は比例するため、低価格帯では低寿命。
日本の大手マットレスメーカー、NELLマットレスなどが多くのメーカーが取り扱っています。
ポケットコイルは、コイル1個ずつが不織布に包まれ独立しています。
それが、良い寝心地となっている一方で、集中した圧力負荷には弱い構造になっています。
ポケットコイルもボンネルコイルと同様、上下はウレタン層を設け寝心地をUPさせています。
寿命平均(耐用年数)一覧
マットレス素材の種類 | 低価格帯 | 高価格帯 | |
---|---|---|---|
ノンコイル | 低反発ウレタン | 2年以下 | 3〜5年 |
高反発ウレタン | 3年程度 | 5〜10年 | |
PE樹脂 | 3年程度 | 6〜8年 | |
コイル | ボンネルコイル | 3〜5年 | 8〜10年 |
ポケットコイル | 3〜5年 | 7〜9年 |
寿命(耐久性)だけをみると、コイルマットレスのほうがノンコイルマットレスより、やや長寿命となります。
しかし、寿命(耐久性)は『寝具として良質なマットレス』を決める要素のひとつにすぎません。
ですので、このことを踏まえてマットレスを選んでください。
※NELLマットレスやコアラマットレス、グッドマットレスのように、10年保証を掲げているメーカーも有ります。購入時は、保証の有り/無しも確認することをおすすめします。
購入前に知っておきたい5つのポイント
今回の記事では、寿命(耐久性)にフォーカスしました。
しかし、実際ベッドマットレスを購入する際は、5つのポイントを抑えて購入を検討されることをおすすめします。
ちなみに前提としては、『より良い睡眠のために最も良質なマットレスを使用したい』という方に向けての提案になります。
抑えておきたいポイントは下記の5つです。
理由はそのあとに簡単にお伝えします。
- 寿命(耐久性)
- 品質レベル(平均品質以上)
- におい(無臭であること)
- 廃棄問題
- 配送(開梱設置サービスの有無)
寿命(耐久性)
寿命はもちろんコストパフォーマンスの要素がありますが、『高耐久=高品質』だとも言えます。
先程もお伝えしたとおり、それが全てではありませんが、重要な要素になります。
品質レベル(平均品質以上)
どのメーカーの製品にも『上・中・下』のようにランク分けがされています。
それらは価格に比例していますが、印象としては『低価格=低品質』となります。
ですので、おすすめは平均品質以上だということになります。
におい(無臭であること)
コイルマットレス、ノンコイルマットレスいずれもウレタン素材が使われています。
ウレタン素材はにおいの問題があると言われていますが、高品質のウレタンは無臭です。
無臭のウレタンは製造過程にもこだわった最高品質ですので、『無臭』がポイントです。
店舗スタッフに「ウレタンに匂いはありますか?」と聞くと、「ありますが、1週間ほどでなくなります」と言われることがあります。基本的に匂いがなくなることはなく、1週間ほどで慣れるだけなので注意が必要です。
廃棄問題
現在、コイルマットレスの廃棄問題がクローズアップされています。
廃棄が有料(2,000〜3,000円)になってきている自治体もありますが、今後は数万円の廃棄料が必要になるのではないかと言われています。
SDGsを考慮し、環境に配慮した商品を選ぶことも必要です。
配送(開梱設置サービスの有無)
これは実体験ですが、私はワイドダブルサイズ(195✕160cm)のウレタンマットレスを使用しています。
ウレタンマットレスというと『軽い』のが特徴ですが、それでも家の中でこの大きなマットレスを2階まで運ぶのは困難でした。(ひとりでは不可能です)
配送方法として『軒先配送』を指定しているメーカーが多いですが、大変なのは軒先から寝室までなので『開梱設置』してくれるメーカーを推奨します。
開梱設置とは、配送業者が寝室まで商品を運び、開梱して指定された場所に設置するサービスのことを言います。開梱に際し出たダンボールやプラスチックごみなども回収してくれます。
まとめ
最も良いベッドマットレスとは、5つのポイントを兼ね揃えた製品です。
これを踏まえてマットレスを比較すると、全て良いという製品はほとんどないことに気づきます。
ただ、もちろんゼロということはありません。
これらのポイントを抑えている商品は、以下で紹介していますので、そちらをご参照ださい。